注文・出来高・建玉残高
オプション注文は、予定する取引の契約、数量、約定条件を指定する。約定は、その注文の一部または全部の取引が成立することである。成立した取引は出来高に計上され、新規建てか決済かという区分は、未決済契約が建玉残高として何枚残るかの決定に関わる。これらは市場活動の異なる段階を表すため、同じものとして扱うべきではない。
新規建てと決済の指示
新規買いはオプションの買いポジションを、新規売りは売りポジションを作る。売却による決済は買いポジションを減らし、買戻しによる決済は未決済の売りポジションを減らす。決済取引は、原資産、オプションの種類、権利行使価格、満期、受渡対象を含め、相殺するシリーズと一致しなければならない。別の権利行使価格で保護を購入しても、当初の義務を決済するのではなく、別のレッグを作ることになる。
約定は一部だけの場合もある。5枚を決済する注文のうち2枚しか約定しなければ、3枚は未決済で残る。残りの注文数量は、その条件に従い、約定、有効期限の到来、または取消しの完了まで継続する場合がある。決済注文を出しただけでは、未約定部分のポジションのエクスポージャーはなくならない。
成行注文と指値注文
成行注文は、適用される約定管理の下で、市場に到達した時点の最良価格での約定を求める。買いは売り注文に対して、売りは買い注文に対して約定する。各価格で利用できる数量によって、1つの価格帯ですべて約定するか、別の価格帯にも進む必要があるかが決まる。
例えば、残存期間45日、権利行使価格$775のSPYコールを5枚購入する場合を考える。3枚が1株当たり$8.70、その次の2枚が$9.00で売りに出ているとする。両方の売り注文に対して約定すると、100株を対象とする標準契約のプレミアム費用は次のとおりとなる。
加重平均約定価格は1株当たり$8.82である。最初の3枚には当初の売り気配値が適用されるが、残り2枚にはより高い価格が必要となる。したがって表示された売り気配値が、希望数量全体の平均価格になるとは限らない。
指値注文は、購入価格の上限または売却価格の下限を指定する。同じ市場で買い指値を$8.70にすると、最初の3枚は約定しても、残り2枚は$8.70以下の売り注文が出るまで未約定となる可能性がある。ビッド・アスク・スプレッドの内側の指値は、より有利な価格を求めるものだが、約定せずに待ち続ける場合がある。競合する注文が約定するか、いつ約定するかは、利用可能数量と取引所の優先順位によって決まる。
複数レッグの取引と複合注文
複合注文は、複数のオプション・レッグを所定の比率で1つのパッケージとして発注する。ネット・デビットの指値はパッケージへの支払額を制限し、ネット・クレジットの指値は受取額の下限を設定する。個々のレッグの価格は変わり得るが、合計の約定価格はパッケージの指値を守る。Cboeの複合注文の仕組みでは、ネット価格によるパッケージ取引と価格競争が可能となっている。
同じ原資産、満期、契約サイズで、権利行使価格$750のコールを1枚買い、$775のコールを1枚売ると、1対1のコール・スプレッドとなる。ネット・デビットの指値$10は、手数料を除き、標準的なスプレッド1組当たりの支払額を$1,000以下に制限する。この指値は各レッグに個別の上限や下限を指定するのではなく、両プレミアムの差に適用される。
電子的な複合注文の約定では、約定した部分について所定の比率が維持される。1対1のスプレッド5組の注文が、完全な2組だけ約定し、3組は未約定で残ることもある。約定部分は各レッグ2枚ずつで構成され、未約定部分には引き続き注文条件が適用される。
レッグを別々に約定させると、レッグ別約定リスクが生じる。約定の間の価格変化によって予定した純費用が変わり、暫定ポジションのリスクが完成後のスプレッドと大きく異なる場合がある。パッケージ約定は、約定した部分についてこの順序の問題を解決するが、注文全体の約定を保証したり、その後の行使・割当リスクをなくしたりするものではない。
約定価格と評価基準価格
表示上のポジション価値には、仲値、直近約定値、理論計算などに基づく評価基準価格が使われることがある。一方、決済取引で実現するのは、その数量で実際に取引できる約定価格である。仲値で評価されている買いオプションが買い気配値に近い価格でしか売れない場合や、売りオプションの買戻しに売り気配値に近い費用がかかる場合がある。
スプレッドが広く市場の厚みが乏しいと、評価上の損益と実現損益の差が大きくなることがある。スプレッド内での約定は、表示された買い気配値や売り気配値で直ちに取引する場合より、結果を改善し得る。手数料はさらに純利益を減らし、または純損失を増やす。したがって会計上の参照価格と実際の取引価格は、別々に扱う必要がある。
出来高
出来高は、ある取引時間中に売買された契約数である。5枚の取引があれば5枚加算され、次の取引日には新たに集計を始める。新規建て、決済、ヘッジの取引はいずれも出来高に含まれる。同じ経済的なエクスポージャーが、日中に複数の保有者を渡り歩くこともある。
出来高は、計測対象のシリーズに固有のものである。ある権利行使価格や満期で取引が活発でも、同じ原資産の別シリーズで同程度の活動があるとは限らない。また、その日の出来高は、特定の価格で現在提示されている数量を表すものではない。
建玉残高
建玉残高は、清算後に未決済で残る契約数を表す。各契約に買いと売りの両側があっても、1回だけ数える。取引の双方が新規建てなら新しい建玉が生じ、双方が決済なら建玉が消える。一方が新規建て、他方が決済なら、既存ポジションが移転する。
| 買い手 | 売り手 | 建玉残高への影響 |
|---|---|---|
| 新規買い | 新規売り | 取引数量だけ増加 |
| 買戻しによる決済 | 売却による決済 | 取引数量だけ減少 |
| 新規買い | 売却による決済 | 変化なし |
| 買戻しによる決済 | 新規売り | 変化なし |
あるシリーズの1日の開始時点の建玉残高を1,000枚とする。新たに100枚を建て、40枚を決済し、既存の200枚を移転する取引があれば、出来高は340枚となる。移転は出来高に寄与するが、未決済契約の総数は変えない。行使やその他の調整がなければ、終了時の建玉残高は次のとおりである。
権利行使と満期も未決済契約を減らす。公表される建玉残高は、関連する清算処理を反映し、一般に日次で更新される。一方、出来高は取引時間中に累積していく。したがって出来高が多くても、建玉残高が同じように大きく増えるとは限らない。